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「枯れ木に花咲くに驚くより 、生木に花咲くに驚け」認知行動療法で自分の強みに気がつく話

草・木・花(3月) / 桜(2915/03/22 1024×768) - 埼玉県川口市安行・桜

「枯れ木に花咲くに驚くより 、生木に花咲くに驚け」
三浦梅園という江戸時代の思想家の言葉である。

枯れた木に花が咲くという珍しいことがあると驚くけれども、
生木に花が咲くことは当たり前過ぎて驚かないし、注目すらしない。
しかし、当たり前に生木に花が咲いていることこそ驚くべきでは無いか?
と当たり前すぎて人々が目を向けないことにこそ注目することを説いた言葉だ。

三浦梅園のこの言葉を知ったのはつい最近だったが
今準備している認知行動療法のワークショップにもつながると思い
こうして記事を書いている。

認知行動療法の治療モデルは何かある出来事に対して、
その人がそれまでに経験したことや、
生育環境などで出来上がる自動思考、感情が
実際の行動に影響を与えるという考えである。

例えば3月末〆切の原稿を書く依頼を受けたとする。
そこで「どうせ俺はこれまで〆切を守れなかった、何をやってもダメだ。完璧にできない」と自動思考が出る。
すると感情もネガティブで抑鬱したものが出るだろう。
そうした状態でいざ原稿を書こうとすると、
不愉快なモノからは逃避するのが人間の自己防衛の反応であるので
ネットサーフィンしたりスマホいじったりして先延ばしをしてまい、
結果として〆切を守れない。

対して同じ依頼であっても
「まあ、これまでもやってきたし大丈夫でしょ。1日1時間でも手をつければそれ何に良い物が書けるんじゃ無い?それにネタが面白そう」
と自動思考がでると感情はポジティブかフラットなものだ。
楽しいことは手をつけるのがたやすい。
こういう状態だと仕事は終わらせることが出来る。

認知行動療法での最終的な目標は
自分が問題だと思ったり、良くしたいと思った出来事にたいして
問題だと思う自動思考を見つけて、
適切な自動思考をインストールして行動の改善を図ることだ。

そこで、最初の言葉に戻る。
「枯れ木に花咲くに驚くより 、生木に花咲くに驚け」

認知行動療法を自分でやったり、教えたりもしてつくづく思うのは
自分にとって当たり前のことには本当に気がつきにくい。
自動思考とはその人に実にべったり張り付いた当然であり常識的なものだ。
行動に問題がある自動思考に気がつかないなんてことがよくある。
「生木に花咲くに驚け」とは言うが
こういう発想を普通の人がしないから
三浦梅園はこう言ったわけだ。

認知行動療法は自分一人でやるのは難しい。
人の助けが必要だろう。また、何度か繰り返してやる必要がある。
最終的には自動思考の変化につながる。

そしてやっていくうちに副産物的に気がつくのだが
自分のこれまで持っていた視点にも変化が起きている。
自分が当たり前にやってるパターンはなんだろうか?
と思いながら日々を自己観察して過ごすので、
自分が当たり前にやってるけども強みになることに気がつく。

当たり前に考えること出来ることとは大きな武器になる。
何か努力して苦労して身につけたことを人は大きく評価しがちだ
「枯れ木に花咲くに驚く」だろう。
しかし自分にとっての「生木に花咲く」に目を向けることが
実は労力も少ないし、既に出来ていることだから
そこに目を向け、伸ばし、花の数を増やした方が目標達成や成功の近道なのだ。

認知行動療法をやっていたからこそ三浦梅園の言葉が本当の意味で腑に落ちた。
ただ単に適切な自動思考をインストールするだけではなく
様々な視点を持って自分の強み、リソースを探ることが出来るようになれたというのは、認知行動療法の副産物だったと今になって思うのだ。

3月のやるCafeでは認知行動療法をやります。
まだ残席あります。

 

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